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Golden Cheetah3.4の新機能

Golden Cheetah3.4の正式版がリリースされたので早速いじってみました。

ダウンロードはここからできます。
http://www.goldencheetah.org/#section-download
リリースノートはこちら。
http://www.goldencheetah.org/release-notes.html

主な新機能は以下の通り。

・ FIT2.0のサポート
・ トレーニングビューでのANT+ FECのサポート
・ ワークアウトエディタ
・ ユーザーが作成したチャートの共有/ダウンロード
・ R言語を用いたチャート

他にも沢山あって、まだ全部は追い切れていませんが、個人的に気になったところだけピックアップしました。
以下、順に見ていきましょう。(間違いがあったら(たぶんありますが)ご指摘いただけるとありがたいです)

■ FIT2.0のサポート

2016年にFITファイルのフォーマットが新しくなり、FIT2.0になりました。前バージョンとの違いは開発者用のデータフィールドが追加されたこと。Connect IQに対応したデバイスであれば、アプリがモニタリングした独自データをFITファイルに記録させ、出力することができるようです。
(Connect IQ2.2と組み合わせれば、アプリが直接ANT+センサーにアクセスして得たデータを記録できる?)

ここは正直よくわかってないのでさらっと流します。すいません。
ちなみに従来のFITファイルが読み込めなくなる訳ではありません。

■ トレーニングビューでのANT+ FECのサポート

ANT+ FECはフィットネス機器を制御する新しいプロトコルで、わかりやすい例で言えばサイクルコンピュータやパソコンのアプリから自動負荷調節機構のあるトレーナーをコントロールし、あらかじめプログラムされたワット数で傾斜を再現する、といったことができます。

後で説明しますがGolden Cheetahにワークアウトを設計する機能が追加されたので、これと組み合わせて使う想定なのかなと。ただ、そもそも「自動負荷調節機構のあるローラー台」がメッチャ高い、という問題がありますが……。

■ ワークアウトエディタ

ちょっと今さら感もありますがワークアウトの設計機能が追加されました。場所は、[Tool] > [Create a new workout]。
作成の前に、ワットの絶対値指定か、FTP比か、勾配(距離と高低差)指定か、過去のアクティビティからの作成かを選べます。

絶対値指定だとこんな感じで割とよくある感じのUI。時間とワットをポチポチと入力していくだけ。

ワークアウトエディタ

お試しで作ってみたところ、ワットの絶対値指定だと「*.erg」、FTP%だと「*.mrc」(ファイル内にFTP値を持たない)、勾配と過去のアクティビティだと「*.crs」というファイル形式になりました。ergはZwiftに取り込めるらしいですがmrc・crsの方はわかりません。

面白いのはアクティビティからの作成。
あらかじめどこかの日のアクティビティを選択した状態でワークアウト作成画面を出し、「Import Selected Activity」を選ぶとこんな感じに。

アクティビティからのワークアウト作成

このまま「Finish」とやればワークアウトライブラリに登録されます。ここでさっきのANT+ FEC対応トレーナーがあれば、過去のレースや登った山の負荷をそのままローラー台で再現できると。
しかし、そもそも「自動負荷調節機構のあるローラー台」がメッチャ(以下略)

■ ユーザーが作成したチャートの共有/ダウンロード

個人的に一番興味を惹かれたところはここです。ただし環境の準備がかなり面倒なので、万人向けではないかも。
今までのバージョンでも数多くのチャートが用意されていましたが、3.4ではさらにユーザーが独自に作成したチャートを見ることができるようになりました。

場所は、画面上部のメニューで[Activities]または[Trends]を選んでから、[参照] > [Download Chart]。
ActivitiesとTrendsでは選べるチャートが異なります。

チャートサンプルその1、インターバルの検索(Interval Discovery)。

interval_discovery3

Activitiesのチャート一覧からダウンロードできます。ここにあるものは選択した個々のアクティビティについて分析するタイプ。

これはインターバルというよりも、あるレベルの出力が一定時間続いたのを自動検出してグラフ化してくれるというもの。白い線がFTPで、例えばレースや練習を振り返ってFTP以上の強度がどれくらい続いたのか、それが何回あったのかを確認できます。もちろんパワーグラフでもいいのですが、こちらの方が単純化される分パッと見てわかりやすい。

ちなみに右上は30秒おきのインターバル走を4回やっていますが、これくらいの間隔だと一本の線になってしまうようです。

チャートサンプルその2、TSBとIFの散布図(TSB v IF)。

TSB v IF

Trendsのチャート一覧からダウンロードできます。ここにあるものは基本的にこれまでの全てのアクティビティから傾向を分析するタイプ。
TSB(疲労度)とIF(強度)の組み合わせで、疲れすぎているのに無駄に頑張っていないか、逆に疲れが抜けているのに強度が低すぎないか、といった分析ができます。こういうの面白い。

左上が「疲れているのに頑張りすぎ(Overload)」、左下が「疲れていて強度も低い(Maintain)」、右下が「疲れが抜けているのに強度が低い(Junk)」、右上が「疲れが抜けていて強度も高い(Race)」、となっています。

自分の場合、機材の関係上ほとんどのレースでパワーメーターを使っていないのでサンプルが落ちていて、Raceが少ない。あとOverloadはそれほどなくて大部分がMaintain。まさしく現状維持。もっとしっかり回復させた上でRaceになるような練習を入れていくべきなのかな。

チャートサンプルその3、1時間パワーと20分パワーの回帰分析の散布図(1hr v 20min Power)。

Peaks

これもTrendsから。一般的に、FTP(60分最大パワー)は20分最大パワーの95%と言われていますが、あなたは本当にそうなのか?をグラフで示したもの。
自分の場合は平均が70.5%でした。低っ!
ヒルクライムや長時間のTTをやる人だと95%に近づくのかも。
いまいち何に使うのかよくわからないけどこういう変なチャートを眺めるのも楽しい。

で、ここまで紹介しておいて何ですが、これらのチャートはRという言語のライブラリを使って描画されていて、以下に述べる環境設定をしないと表示されません。
(中にはRがなくても表示できるものもありますが、対応していないチャートは真っ暗になります)
しかもこの前準備がかなり手間のかかるもので、残念ながら全然お手軽ではありません。手順を見て、これならできそうと思った方はぜひトライしてみてください。

■ R言語を用いたチャート(の設定手順)

話が前後しましたが、R言語とはデータ分析やデータ処理に特化したオープンソースのプログラミング言語です。
ユーザー作成チャートの一部はこのRをインストールしていないと表示されません。(というのに気がつくのに2日くらいかかった)

以下、インストールと設定手順をメモしておきます。

・ Rのインストール
まずRをインストールする必要があります。Golden Cheetah3.4がセットアップ済みという前提で、Windowsを例に説明します。

以下のページ(CRAN)で、「Download R for Windows」をクリック。
https://cran.r-project.org/

「install R for the first time.」をクリック。
「Download R 3.3.2 for Windows (62 megabytes, 32/64 bit)」をクリックして、Rのインストーラをダウンロードする。
インストールは全部「次へ」でOK。

・ changepointライブラリのインストール
以下のページを開いて「changepoint_2.2.2.zip」をダウンロード。
https://cran.r-project.org/web/packages/changepoint/index.html

展開して出てきた「changepoint」フォルダ一式(「changepoint2.2.2」ではなく、その中にあるフォルダ。以下同様)を、Rのライブラリ置き場にコピーする。
例)C:\Program Files\R\R-3.3.2\library

・ zooライブラリのインストール(※changepointライブラリの読み込みに必要)
以下のページを開いて「zoo_1.7-13.zip」をダウンロード。
https://cran.r-project.org/web/packages/zoo/index.html

展開して出てきた「zoo」フォルダ一式を、Rのライブラリ置き場にコピーする。
例)C:\Program Files\R\R-3.3.2\library

・ ライブラリの読み込み
WindowsのスタートメニューからRのアプリケーションを起動し、[パッケージ] > [パッケージの読み込み] > [changepoint]を選択してOKを押す。
成功すると「Successfully loaded changepoint package version 2.2.2」と表示されます。

ここで一旦PCを再起動。

・ Golden CheetahでRを有効化
Golden Cheetah3.4を起動し、ツール > オプションから以下のように設定。(インストールディレクトリは環境に合わせて変更してください)

Rの有効化

これでRを使ったチャートも見られるようになっているはずです。

ちなみに、R系のチャートはパラメタ設定のGUIがまったく用意されていないため、Trends側のチャートだと問答無用で過去データを全部引っ張ってきてしまいます。
ただ、チャート画面で「console」というチェックを入れると、ユーザーがRのスクリプトを直接編集できるようにはなっているので(←なんだこのフリーダムな仕様は)、頑張れば対象期間を絞ることはできそう。

この辺なんだろうけど……
## get data
compares <- GC.season.metrics(compare=TRUE)
## all pmc data
pmc <- GC.season.pmc(all=TRUE, metric="TSS")

でも書式がさっぱりわからないので色々試したけどダメでした。どなたか詳しい方、コードをいじって期間を絞る方法ご存じでしたらアドバイスいただけると……。

そんな訳で、もう最後まで読んでいる人はいないかもしれませんが(汗)、今回のバージョンアップでさらにデータ分析機能が強化された印象です。
やはりこれだけの機能を持つソフトがフリーというのはすごい。

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